空き家を探す

2020年11月30日
たにべえ

連れられ夫のうんなん暮らしvol.3 ~田舎と都会の人間関係は違う?~


こんにちは。
市民ライターのたにべえです。

いつもコラムをお読みいただきありがとうございます。


今日は、


「田舎の人間関係」



「都会の人間関係」


について日々感じていること、
移住してみて思った事を書いてみようと思います。

移住する前って、結構「人間関係」の部分が大事なのに
見えにくいんですよね。

だから、特に「自治会」とか「ご近所付き合い」とか
そういうことが心配な人に少しでも役に立てばと思います。



僕はこれまでの記事でも

「移住前のイメージは移住後の暮らしと異なるよ」ということを
書いています。


人間関係についても、イメージと異なるかなと思っていましたが、
逆に人間関係だけはイメージ通りでした。



僕の田舎の人間関係のイメージは、


・口コミ力が半端ない(噂は広まって当然)


・地域のことをなんでも知っている人が絶対いる(その地域の歩くウィキペディア的な人)



移住してみても田舎特有の人間関係のイメージというのが変わることは
ありませんでした。


みなさんはこのイメージを見てどう感じましたか?


良いイメージ?悪いイメージ?
人それぞれだと思います。

だって、僕のようにこういった人間関係の方が得意な人もいます。
僕は僕のいないところで噂話をされたら喜びますが、
苦手な人もいます。



だから、感じ方は人によってそれぞれです。



じゃあ都会はどうなのか。
(都会という都会には住んだことないけれど)


移住前に、どこかの移住のパイセンのブログを読んだりすることもありましたが、
都会と田舎の人間関係の比較として、こんなことが書かれているのを目にしたことがあります。



「都会では、隣人の顔も知らず、近所付き合いもないドライな人間関係」


「それに比べ田舎は近所付き合いもあり、人があたたかい」


というものです。


僕も実際、転勤族時代に住んだ場所で近所のイベントに参加したことも
集まりに参加したこともありません。

隣の人とはあいさつ程度(もしくは会ったことがない)の関係でした。



僕個人としては、この比較については
「目に見える部分」だけではそうだよな、と感じています。


ただ、今の世の中全体を見てみると

・SNSで噂は広まって当然→田舎ではその地域のトレンド、噂が広まって当然

・ネットで流行ってるものを何でも知っている人がいる→田舎にもなぜか何でも知っている人がいる


こう見ると、割と田舎の人の感覚と都会の人の感覚が
大きく離れているようには感じません。


ただ規模が違うというだけで、

トレンドや噂にはみんな敏感だし、
ブームを創り出す人がいるし、
それを知っていることが良しとされています。


田舎の人間関係ではこのようなことが「行動」として
身近で目に見えます。

だから、それを僕たちは温かいと感じたり、窮屈だと感じたりするのだと思います。

結局、起こっていることがデジタルかアナログか。

行動か、文字かでも感じ方が変わってくるということですね。



なんとなく考察的な話になりましたが、ここからが本題です。


前述のとおり、僕は田舎の人間関係を今のところ
楽しめています。

実際に移住者の僕と田舎のご近所同士の日常で
「やっぱり田舎の人間関係はおもしろいな」と思ったエピソードを。


残念ながら新型コロナウイルス感染症の影響で
今年度の開催は無くなってしまったのですが、

移住してきて衝撃を受けた文化に「常会」というのがあります。


これは、近所の人が月に1回集まって、自治会費とかを担当の人にお渡しする会
なのです。(地域によって位置づけが若干違うのかはわかりません)


こんな文化を聞くと、

いやいや、月に1回集まる必要があるのか、
LINEペイで集めたらいいじゃないか。
仕事も忙しいのに…
という声も聞こえてきそうですね。

確かに僕も
最初は必要性に疑問を抱いていましたが、
今はこの文化が好きです。

文字になりますが、その「常会」というものが
どんなものなのか、どんな会話が行われているのか、
一部をご紹介します。

僕の地域では、
常会は夜の19時、だいたい決まった人の家や集会所で始まります。

まず全員集まると、



オープニング。
その日はイノシシの出没状況から話が始まりました。


そして、近所の誰々さんがイノシシと車でぶつかった話に移行していきます。


その流れから、イノシシとぶつかったことがあるエピソード大会へと発展していきます。

華麗な出雲弁の連続に僕の耳はついていくのが精いっぱい。
まさにスピードラーニング。


最終的には、イノシシとぶつかっても車の保険がおりないのでは?
という悲しい事実へと収束していきます。


僕はこれを聞きながら、




まさに。




アナログ版のTwitterだと感じました。


間違いなくあの場にあったトレンドワード1位は「イノシシ」であり、


おじいさんたちが「#イノシシにぶつかったことある」というハッシュタグをつけて

イノシシとぶつかったことがある人たちが、そのエピソードをつぶやいていくのです。
(だいたい、1トレンドワードにつき、30分くらいで構成されています)

これによって僕のTL(タイムライン)は
出雲弁のイノシシエピソードでいっぱいになったのです。

世界ではデジタルで、匿名で、なされていることですが、

田舎ではすごいスピードで、対面式(アナログ)で行われています。


でもこの情報交換の場があるおかげで、
近所のおじいさんたちが元気がどうかわかったり、

移住者としてはわからないことがあれば聞いてみたりできるのです。

そして、僕のような田舎暮らし初心者は、

この地域のあの辺では「イノシシ」に気を付けないといけないんだ。

と情報を得ることができます。


世界では(都会でも)スマホの中でやっていることを

田舎では近所の人とやっているだけなんだと思います。


だから、田舎は人間関係が濃いと思うかもしれませんが、


ご近所版のTwitterだと思って、


今のトレンドはなんだろな~


という気持ちで話を聞いています。
(絶対にググっても出てこない話の宝庫だからマジで)



もしも僕たち移住者の話がご近所さんの


トレンドワードにあがっていたら、


とても嬉しいです。
(イノシシに勝つのは結構大変だと思うんですよ)



そうやって田舎の人間関係も楽しもうと思います。



移住を考えている人は、ぜひ移住してご近所版Twitterを
体感してください。世界が変わります。


同時に、ご近所同士の情報交換の大切さに気付きます。


一概には言い切れない部分もありますが、
田舎の人間関係は悪くないと思いますよ。

住んでみて、そんな集まりに呼ばれたら
僕のような視点で楽しむのもアリかな、と。

新型コロナウイルス感染症が落ち着いて



早く「常会」再開されないかな。


今回もお読みいただきありがとうございました。





【ライター紹介】
たにべえ。平成生まれ平成育ち。2019年春~広島→雲南へ。
少年時代の転校ラッシュで培った「どこでも誰とでも仲良くなる精神」が田舎でどこまで通用するか実践中。
お酒大好き。3児の父。週7バスケのバスケバカ。