空き家を探す

2021年07月19日
りなぴ

災害を経験して


皆さんもニュース等を見てご存知かと思いますが、7月7日から続く豪雨により雲南市は大きな被害を受けました。
被災された皆様へ、心よりお見舞い申し上げます。

ここ数年、雲南市は大きな災害に見舞われることがなかったので、今回のような大きな災害になったことに驚いています。
私自身、「油断していた」と反省しています。



というのも、とても小さい被害ではありましたが、私も今回被災をしたひとりです。



川が目の間にあるアパートの1階に住んでいて、7月12日の大雨でその川が氾濫しました。

当時私は市役所で仕事をしていました。

朝からものすごい雨で、9時30分ごろに雲南市全域に避難指示が発令しました。
その後10時40分ごろに緊急安全確保も発令され、アパートにいる夫に連絡しました。

そしたら我が家のベランダから撮影したこんな写真が送られてきました。
 

普段は公園が見えるのですが、もう公園が見えません。
橋が見えますが、もういつ水位が橋を超えるかわからない状態。

夫と、アパートのすぐ近くで働く祖母と母にも避難するよう連絡しました。

そしたら、避難所までの道が土砂崩れにより通行できなくなっている、と。
地域の人たちはひとまず近くの公民館に避難したそうですが、館内は満員状態でとてもじゃないけれど避難できない、と。

アパートよりは祖母の営む会社のほうが安全、ということで私の家族は従業員とともに会社で一時避難をしていました。
 

一方、市役所では様々な情報が入ってきていました。
市役所に入ってくる情報と、家族から送ってくるさらに状況が悪化した写真。
この目で確かめることができない中、情報だけが入ってくるのはとてもとても不安で泣きそうでした。

職員さんから「りなぴの家の目の前の川は氾濫すると思う。もう家は諦めて避難するよう家族に伝えるんだよ」と言われ、夫に大切なものだけ取りに帰って、すぐ避難するよう伝えました。

泣きそうだけど、他の職員さんだって同じ状況の人がいる。
何よりも市民の方の命が最優先。

覚悟をもって仕事をしていました。


 

13時30分ごろ、雨は小降りになりましたが、川は氾濫し駐車場まで水が入ってきました。
軽い床下浸水になるのでしょうか。
(さすがに氾濫後の写真は危険なので家族も撮影してなかったですが…。)

ですがその後、川の水位はどんどん下がってきて、16時に夫はアパートに戻ることができました。
駐車場まで水が上がってきたとはいえ、部屋の中に影響がなく安心しました。



と、安心したのもつかの間、アパートに戻った夫から「水が全くでない」という連絡が。

私の住む地域全域が断水になってしまいました。

同じ地域に住む祖母の家も出ない。
祖母の会社も出ない。

唯一助かったのは、祖母の会社は山水も使えること。
山水をタンクに入れてもらうことに。
タンクも持っていなかったので、祖母から借りました。



断水もあり家が心配でしたが、仕事が終わって帰ろうにも私が市役所からアパートに帰る道がすべて通行止めになっていました。
土砂崩れに道路冠水…。詰んだ、とはこのことか。

しばらく職場で待機していたら、迂回をすれば帰れそうだと母から連絡があり、何とか家に到着することができました。

そして、やっぱり家は断水。

たにべえさん・ひな子さん宅で夜ご飯やらお風呂やらお世話になりました。
ほんと、困ったときに頼れる移住者さんがいてよかったです…!!!

家に帰り、トイレや歯磨きなどはタンクに入れた山水で行い、その日は乗り越えました。



その後、断水は3日間続きました。
正直こんなに長引くとは思っておらず…。
日常生活を送れないストレスを感じていました。

水が出たという報告を聞いたときは、これでもかってくらい喜びました。
やっぱり水って大切だなぁ…。
 

私の住む地域ではまだまだ断水が続いています。
もう一週間以上経っていますが、復旧のめどがついていません。

他にも土砂崩れで半壊したおうちや、道路が陥没してなくなってしまった場所も。

今回、雲南市内全域で大きな被害がありましたが、私の住む地域は特に被害が大きかったと言われています。

たまたま私は3日間の断水と軽い床下浸水だけで済みましたが、近所の知っている人たちが土砂の片づけに困っていたり、家に住めなくなっていたり、断水に悩まされてるのを見ているのはとてもつらいです。

ボランティアセンターも立ち上がり、また水害支援基金や大雨災害義援金などの寄付も受け付けています。

ぜひ、ご協力いただける方、よろしくお願いいたします。



 
↑前日がうそのように晴れた翌日13日。

まさか自分が被災者になるとは思ってもおらず。

川の目の前のアパートの1階だけど、家族や近所の人が「ここの川が溢れるなんてありえない」と口を揃えて言うので、油断していました。

災害に遭うというのは、誰しもが起こりうること。

今回の災害を通して、家族と話し合いました。
・防災セットを準備しておく
・非常食を持っておく
・避難指示の時点で避難をする
・大切なものを書き出しておく
まだまだあると思いますが、私たちは初歩的なことも準備していなかったので、まずはここから。

ちなみに、「大切なものを書き出しておく」というのは、今回床上浸水の恐れがあったとき、夫に「大切なものだけをもって避難して」と伝えましたが、その時に私は“大切なもの”が何か思い浮かびませんでした。

そんな私が咄嗟に伝えた“大切なもの”は「カメラとニンテンドースイッチ!」(笑)。

いや…絶対もっとある。ニンテンドースイッチは“大切なもの”リストでもかなり下位なはず。



今回の災害を教訓に、防災に関して意識を高くもって生活していこうと決意しました。

雲南市の1日も早い復興を祈ります。



 

【ライター紹介】
りなぴ。うんなん暮らし推進課 定住企画員。
松江市出身、愛知県での修行を経て雲南市へ孫ターン。
148cmの身長からは想像できないが、狩猟免許を所持するハンター。