空き家を探す

2022年03月29日
りなぴ

イマドキの雛人形


私が住んでいる地域の小学校は少し前に廃校になりました。

小学校が廃校になると、一気にさみしくなるんですよね。
地域に子どもはいるんだけど、声が聞こえなくなる。姿も見えなくなる。

そんなさみしさを吹き飛ばし、地域に活気を、そして廃校となった小学校に賑わいを取り戻すため、私の地域では月に1回廃校となった小学校の開放日を設けています。

小学校に人が集っているだけでも、地域としては超ハッピー。


月に1回の開放日では、ちょっとしたワークショップが開催されています。
3月の開放日は、「超カンタンな雛人形を作ろう!」的なワークショップでした。

今回の参加者、ほとんどがover 60の奥様方。
他には小学生が1人、中学生が2人いました。

でも完全に女子会。年齢層広めの女子会。
大体毎月開放日は女子会になりがちです。



肝心の雛人形ですが、真面目に作っている女子は4人くらい。
15人くらいいたと思いますが、他の女子たちはガールズトークで手より口が忙しかったようで。

もちろん、それでいいんです。
小学校に人が集いさえすれば!賑わいさえすれば!!!



さて、本日の本題は作った雛人形について。



結構ちゃんと真面目に作った私の雛人形をご覧くださいませ。







 

まあまあの出来。
真面目に作ったけれど、一番早く作業は終わりました。
他の奥様方は細部までこだわっていて、めちゃくちゃ綺麗な出来でした。



ここで、クイズです。

この雛人形にはある間違いがあります。
一体どんな間違いでしょう?




正解は…



雛人形の着物が右襟が上にきていて死装束になっている!



知っている人も多いと思いますが、何がダメかというと、着物が左前になっていると、死装束になってしまうのです。
ダメというか、着物のマナーですね。

大人の皆さんだったら絶対に気づく、この違和感。
そして間違えちゃう私、とにかく恥ずかしい。

自分が着物を着る分には間違えないけれど、着物を着た人形を作るとなるとわからなくなってしまった…。



でも完成した後、ちゃんと自分で気づいたんです。
完成してから気づいても遅いので、直せないのですが。

周りの奥様方に気づかれる前に、自分で間違えたことを言っておこうと思いました。
言う前に気づかれて、「この子常識知らず」とか「マナー違反」とか思ってもらいたくなくて…。




「完成しちゃったんですが、右前と左前間違えちゃって。これじゃ死装束ですね…」



周りに座っている奥様方、ちらっと私の人形を見て、全然気にしない様子で



「いーわね!今どきマナーなんてないわね。これがイマドキの雛人形だわね。色々な人形があっていいわね。」と。



っっっ何この素敵な奥様!!!!!
若者の間違いを否定せず、尚且つ“イマドキ”をしっかり考えてくれている。

普通だったらまず訂正されるだろうし、これだから若い人は…って思われちゃうところだろう。

でも間違いを肯定するどころか包み込んで新たな雛人形を生み出したよ、この奥様は。

こんな奥様がいる私の地域の未来はきっと明るい!!!
Z世代でも生きやすい地域に違いない!!!
(Z世代って使ってみたかっただけ)

と、地域の奥様から良い刺激を受けたワークショップになりました。



自分が50歳60歳と歳を重ねた時、この奥様のように昔の当たり前やマナーを突きつけるようなことをせずに、“新しさ”や“イマドキ”を受け入れられる人間になっていたいなぁ。

またこの地域から学ばせてもらった。





ちなみに、私が住んでいる地域では雛祭りは4月3日です。
なのでこの時期に雛人形を飾っていてもOKです。
そこはマナー通りに(笑)。


 



【ライター紹介】
りなぴ。うんなん暮らし推進課 定住企画員。
松江市出身、愛知県での修行を経て雲南市へ孫ターン。
148cmの身長からは想像できないが、狩猟免許を所持するハンター。