空き家を探す

2023年06月08日
ぽんぽこ仮面

湯上りに川のせせらぎと優しい風


5月の暮れ。
 
この季節には似つかわしくない暑い日が続く。
庭の草たちが元気よく伸び、家の周りが緑に染まる。
草刈りを余儀なくされた。
 
雲南に越してから購入した草刈り機。
大きな音を立てて、庭を暴れまわった。
 
 
庭はすっきりしたが、
私の心身は疲れ果てていた。
すぐにでも横になりたい気分だった。
しかし、汗でベタつく身体を何とかしたい。
 
風呂へ行くしかない。
心身を広い湯ですっきりさせたかった。
 
桂荘へ行こうか。
長者の湯へ行こうか。
はたまた、玉峰山荘まではるばる向かうか。
 
いや、なんだか今日は未踏の湯に浸かりたい気分だ。
何故か、そういう気分だった。
 
ふと、あそこだと思いつく。
出雲湯村温泉。
早くいかねばといつも思っていた。
しかし、近場に風呂があり、足が遠のいていた。
今日、ついに行く時だ。
 
車のエンジンをかける。
さくらおろち湖とも呼ばれる、尾原ダムという巨大ダムを横切る。
あまりの大きさに、いつも漠然とした不安に駆られる。

ただ、今日は違った。
ダムを超えた先には、風呂が待っている。
それを思えば、ダムの景色も違って見えたのだ。
ワクワクドキドキした気分でハスラーを走らせる。
 
 
いよいよ、到着。
斐伊川中流のすぐそば。
趣あるその佇まい。
夕暮れ時に灯る優しいオレンジのライト。
ポツリと立ち尽くす赤いポスト。
その景色を見た途端に、
疲れていたはずの身体がウキウキしだす。
 
 
代金を支払い、脱衣所へ進む。
年季の入った通路が嬉しい。
「うおお…」と自然と声が出てしまう。
 
扉を開けたその先には、
深めに溜められた湯と、シャワーのない洗い場。
桶に湯を汲み、ベタつく身体を洗い流す。
身体が喜んでいるのがわかる。
 
そして、湯船へ。
ゆっくり肩まで浸かっていく。
上を向いていないと、鼻まで浸かりそうなほど、
深めにはられた湯が今日は嬉しい。
全身で柔らかい湯を感じる。
 
露天風呂は、川の目の前。
良き湯と、この上ない景色を前に、
心身の疲れはどこか彼方へ消え去っていた。
 
 
ゆっくりゆっくり湯に浸かり、
今度は気持ちの良い汗が額から湧き上がる。
その汗を流して、外へ出る。
 
湯上り。
少し贅沢をして、ノンアルコールビールを頂く。
川を眺めながら飲むのは格別だ。
 

火照った身体を優しい風が包んでくれる。
川のせせらぎの音が脳内をゆっくりと翔ける。
立ち上がる勇気が出ないくらい心地よい。
こんな贅沢はなかなかない。
しかし、こんな贅沢が雲南の日常にはある。
 

###温泉情報###
■出雲湯村温泉 公衆浴場 元湯 漆仁の湯
所在地:雲南市木次町湯村1336
泉 質:アルカリ性単純温泉 源泉100%かけ流し
備え付:固形石鹸のみ
備 考:家族風呂もあり

###余談###
ぽんぽこ仮面は風呂が好きすぎるあまり、
この5月にサウナ・スパプロフェッショナル資格を取得





【ライター紹介】
ぽんぽこ仮面。京都府与謝野町出身、9年間東京で過ごした後に雲南市へ。
お風呂すき。サウナすき。キャンプすき。
毎日わくわくした大人でいたい教育業界の人。