空き家を探す

2023年07月31日
たにべえ

へんけん


こんにちは。
雲南に移住して4年が経ちました。
都会の文化の10年くらいあとをいってると思っていた田舎でこの僕が4年も生活できていることは奇跡です。

最近は、死んだ魚のような眼をしているこんな中年男性が「移住者なわけがない。」と思ってもらえているようで、

県外出身者であることを明かすと驚かれるようになりました。

「なんでこんな田舎に?」はテッパンの質問ですが

「嫁が出身なんでねー来たんすよ。」というと

「広島に比べたら何にもなくて大変でしょー。」って言われるので

「マジでなんもなくて死ぬ。」みたいなことを冗談っぽくいった方が素直でええやんコイツ、みたいな感じになるのでお勧めです。

実際、なんで来たかとかそんな興味ないやろ。適当よ、適当。みたいなノリで生きています。


あ、でも実際のところ、僕みたいな“クソシティボーイ”がこんな田舎で生きているのは奇跡でもなんでもなくて、

思ったより文化が地方都市とは変わらんってところがデカいです。(東京とかと比べたらわからんけど。)

つまり「俺もそんなに都会人じゃなかったわ。」と思ったわけですな。


ということで、マジで移り住む前は「田舎 = 発展途上国」なんじゃないかとびくびくしていた僕が、

実際に来てみて「偏見」と「現実」を目の当たりにしたんでその辺を僕目線でコラムにしてみました。

最初に言っときますが「偏見」は「偏見」なんで、

「コイツ田舎いじりすぎ」とかくれぐれも思わないように。

※※

偏見①
田舎の集落では異国の言語かと思うくらいの『クセ方言』が使われている。

現実①
これはマジ。最初は聞き取れんが、そのうち聞こえるようになるから大丈夫。

※※

いや、これはマジでした。田舎って「○○ずら。」とか「○○だべ。」みたいなイメージあるでしょ。

ドラクエですら田舎の村の村人Aがそんな喋り方しとるくらいなんで、全国的、メジャーなイメージ像やと思う。

で、これが実際に目の前で起きるわけですわ。出雲弁は初見殺し。マジで聞き取れませんでした。

ただ4年も住むと、何なら自分が使ってるよね。あげだのこげだの。未だに合っとるかわからんけど。

で、使い始めたら結構方言っておもしろいです。

まぁ最初の方は聞き取れんかったら、とりあえずヘラヘラしとこう。ヘラヘラして変な空気になったらニタニタしとこう。


※※

偏見②
自治会はドロドロとゴタゴタとなんか色々ある。

現実②
ない。(僕のところは。)

※※

自治会って田舎を代表する「めんどくせぇ人づきあいランキング」のトップに君臨するほど、嫌なイメージがあると思います。

Googleで「自治会 トラブル」とか検索すると死ぬほど辛いエピソード出てくるから全員見に行ってください。

僕自身も、移住する前に自治会で揉めて村八分にされたらどうしよう、とか。

自分の子どもが、地域の権力者の息子とかにヘコヘコして生きていく、みたいな小学校生活になったらどうしよう、とか。

変なしきたりに巻き込まれていたらどうしよう、とか。

色々ビビりながら田舎に移住しました。

そもそも僕は実家が転勤族でして、まったく子ども会や自治会に所属した経験がない人間なので、

地域の人が家に来る、とかいうことに恐怖を感じるタイプでした。


今となっては、「なんてことねぇな。」というのが正直な感想で、

まぁそりゃあ月に一回とかの集まりに行くことが負担じゃないかといえば、負担だけど

「忙しいなら無理しなくていい。」ってみんな言ってくれるし、

「え、無理しなくていいなら無理しないです!あざす!!」というスタンスでいるので超ラクです。


もちろん、予定がなければきちんと活動にも協力するってスタンスが大切。

それに、1つひとつ自治会の役や作業の大変さも知っていくと、自然と「まぁ出よっかな、助け合いやしな。」って気持ちになっていきます。


一番驚愕したのは、自治会の人が亡くなったときに通夜やお葬式のお手伝いを頼まれたこと。

「○○さんが亡くなって、明日お手伝いを頼みたく…。」って、最初は間違いLINEかと思いました。


結果、その日は仕事を休んで受付をしたりと忙しく、

頼まれた人の中でも自己流のやり方がある人とかおって統率取れんしで、「なんじゃこりゃあああ。」ってなった。(受付のやり方に流派があるとか知らんわ。)

でもやっぱり顔を見知った人が亡くなっていく寂しさとか感じている自分を振り返ると、

田舎に来てだんだん「人間っぽくなってきた。」みたいな言葉がしっくりくる今日この頃です。



※※

偏見③
和式便所しかない。

現実③
洋式もある。が、数は少ない。

※※

僕の中の田舎への偏見1位がこれでした。田舎には和式便所かボットンしかない。

僕は家以外の場所で基本的に大きい方ができないお坊ちゃんだったので、

和式とかもっての外、そんな場所に住むなんて死にに行くようなもんだと思っていました。

現実は「洋式もある。」くらいの感じで、やっぱり都市部に比べると和式をお見かけすることは圧倒的に多い。

そんな『和式お見かけ都市』であることが理由なのか、保育所や幼稚園でも「和式トレーニング」なるものがされていて、

小さい頃から洋式でぬくぬくと育った僕と違い、娘たちは和式に対する抵抗があまりない。

「コイツラまじか。」と思うけど、まぁ逞しく育ってくれているということにしておきます。

今となっては、前日に辛いものを食べすぎた、とか、飲みすぎた、みたいな日に和式と対峙しても臆することが無くなった僕を読者全員で賞賛してください。


※※

偏見④
おじいちゃんおばあちゃん(65歳くらい)しかいない。

現実④
おじいちゃんおばあちゃんは80歳から、65歳は若者。

※※


田舎に来て「若者」の概念をぶっ壊されました。

近所のおじいさんは喜寿(77歳)を越えてからもショベルカーを運転して作業をしています。マジバケモン。

65歳なんて地域の若い衆くらいの感覚で、諸先輩方(オーバー70)の枠も、「隠居」みたいな雰囲気は無く、めちゃくちゃ最前線を張ってくる人が多いので、

年齢の感覚がバグりました。

「生涯現役」って言葉は多分あーいう人たちが作ったんだろうなと思います。

「田舎は元気がない、若い者が出ていってしまって。」と言われるけれど、


「そう言ってるあなた、めちゃくちゃ元気っすよね。」っていうのが正直な感想。

ただやっぱり、5年とか10年とかのスパンで考えれば考えるほど地域の元気が無くなっていく未来は住んでいて見えてくるのも現実だそう。


移住者的には「元気だったころ。」がわからないので、「今でも十分やってるやん?ええやん?」って思うんですが、

やっぱり昔と比べると元気は年々無くなっているみたいです。

元気が無くなっていく地域を見て、一念発起「よし!なんとかしよう!」と立ち上がるのは他の人にお任せしますが、

「若い」から頼られるってわけでもなく、

僕のように「なんの覇気も感じない、ただ年齢が若い奴」はあまり頼りにされない模様ですので安心して暮らしています。


現場からは以上です。



他にも偏見が現実だったパターン、そうじゃなかったパターンはたくさんある。


そして未だ解決していない偏見、解決した偏見も多々あります。


・休みの日は全員田んぼで握り飯 → そんなことない。

・田舎の警察に捕まっても謝ったら許してもらえそう → 容赦ない。

・おしゃれな人いない → いる。※これについては別コラムで触れます。長くなるので。


あくまで僕が見ている田舎なので、もしこれを読んでいる方が移住された後に見える田舎、

そして他の移住者から見えている田舎は全く違う印象なんじゃないかなーと思います。というか、関わっている人が違うんで当然な気がする。


4年住んでみて、だんだんと暮らしにくくはないなって感じなので、

僕の目にも少しは光が宿るかもしれません。






最後にとびっきりの偏見エピソードを。




移住する前に、移住に関しては何も言ってこなかった親父が一言だけわざわざアドバイスを送ってきたことがありました。







「山陰て晴れんやろ。晴れんと人間の性格が陰湿になってしまうって聞いたで。気をつけろよ。」













クソ偏見だろ、親父よ。
血は争えんな。









実際、どうなんでしょうよ。







おわり。




【ライター紹介】
たにべえ。平成生まれ平成育ち。
2019年春~広島→雲南。
お酒大好き。3児の父。週7バスケのバスケバカ。