空き家を探す

2024年05月17日
ぽんぽこ仮面

国立劇場で観たそれより圧倒的な迫力だった

 


 このゴールデンウィークは温泉津温泉へ一人旅に繰り出し、そこで久々の石見神楽を鑑賞した。その圧倒的な迫力と熱量には、心震えるものがあった。今回は、温泉津温泉への一人旅のこと、そして石見神楽を鑑賞したことを少し記事にしてみたい。
 

 島根で迎える2回目のゴールデンウィーク、勤め先のカレンダーでは10連休。4月は仕事が忙しく、ゴールデンウィークの予定も立てられずにいた。
 目の前にそれが迫ってきたとき、ふと何をしようかと考えた。普段は毎日松江市に通い、折角自然豊かな島根県に移住したにもかかわらず、中核市で多くを過ごし、自然や島根の文化に触れる時間が少なかったことに気が付いた。自然や畑と向き合おう、そして県内で一人旅に出よう。そう、考えた。雲南市は島根県の東部出雲地方に位置している。大田市以西の石見地方になかなか行く機会がなかった。私は温泉が好きだ。そうだ、大田市に温泉津温泉がある。旅先を温泉津温泉に決めた。
 

 島根県には多くの温泉地がある。その中でも温泉津温泉地域には、昔ながらの共同浴場がそのままの姿を残しており、いつか訪れたいと思っていた。宿だけ押さえ、車を走らせる。雲南市から温泉津温泉までは1時間半程度だ。1泊2日の一人旅にはちょうどいい。
 到着すると、こぢんまりとはしているものの、趣ある温泉街の姿がそこにはあった。ただそれだけではなく、最近できたであろう飲食店も多く立ち並んだ。ここも移住者が多く、地域おこしに熱心なようだ。
 この地域には、2種の共同浴場がある。元湯と薬師湯だ。メディア等でよく見かけるのは、薬師湯であろう。どちらもそれぞれに情緒あふれ、お湯も素晴らしく、ついつい長風呂をしてしまった。元湯は私のお気に入りともなった。3種の温度の内風呂があり、熱々の湯につかり休憩すると、サウナのそれ以上に整う感覚に包まれたのだ。
 

 さて、ぜひこの記事でお伝えしたいのは、温泉津での夜の体験だ。宿の方に教えて頂き、夜神楽を観に行くことにした。温泉津を訪れた方に楽しんで頂くため、龍御前神社の境内で毎週末石見神楽が生で見られるということだ。今回は、お隣江津市の都治神楽社中による、塵輪・恵比須・大蛇が披露された。
 2年ぶりの石見神楽。前回は東京の国立劇場での観覧で、50頭もの大蛇に圧倒された記憶がある。今回は小さな舞台での公演。50席ほどのみの夜公演だ。しかしどうだろう、始まってみると国立劇場で観たそれより圧倒的な迫力だった。舞台と客席に隔たりがなく、ともに公演を創っているかのような感覚に包まれた。囃子の太鼓や鐘、笛の音が脳に直接訴えかけ、鼓動が高なった。私は今日初めて本物の石見神楽を観たのかもしれない。そんな感覚に包まれるほど、別物だった。
 これが石見神楽の本来の姿。これぞ石見神楽。観客とともに場を創り上げる、この小さな空間こそが石見神楽を石見神楽たらしめるのだろう。伝統芸能とは、その文化が根付く土地でこそ見るべきものだと知らしめられた。
 

 さて、約2週間後の6月1日(土)雲南市のきすき健康の森にて、『おろちの里 夕刻かがり火舞』という出雲神楽も鑑賞できるイベントがあるそうだ。皆さんもこれを機会に、雲南市でも伝統芸能に触れ、周辺の温泉で日々の疲れと5月病を癒してみるのはどうだろうか。



 

【ライター紹介】
ぽんぽこ仮面。京都府与謝野町出身、9年間東京で過ごした後に雲南市へ。
お風呂すき。サウナすき。キャンプすき。
毎日わくわくした大人でいたい教育業界の人。