初めて松江道から雲南市を眺めたとき。
広島方面からくると走っても走っても山。
ときどき山々の隙間からオレンジ色の屋根が見える。
「あ、家あった。」
またしばらく山…。
遠くに集落が見えたと思ったら、また山…。
「いったい、ここの人たちはどんな暮らししているんだろう。」
「ずいぶん山の中だけど、買い物とかどうするんだろうね。」
「『ポツンと一軒家』みたいだね。」
まだ雲南市に住むことが決まっていなかったころ、
そんなことを言いながらこの景色を眺めていた。
そんなまったく眼中になかった雲南市に、
しかも山間部と言われるところに縁あって住むことになった!
松江道を走っているときには、あまり気づかなかったけれど、
この道路、下から見るとものすごく高いところを走っている。
そしてほとんど橋じゃないですか?!
このからくりがわかると、雪の時期に通行止めになってしまう理由に納得できる。
ここからの景色だけを見てしまうと
『ポツンと一軒家』のような感じを想像してしまうが、
実は一般道や山道が至る所に存在していて、
『ポツンと』感のあるところは意外と少ないかもしれない。
そんな松江道は雲南市の中心地から広島方面が無料となっているから、
近県にも気軽に出られるし、
買い物に出る、普段使いにも大いに役立っており
「もしかして便利なんじゃない?」
とさえ思ってきてしまっている。
いや、便利でしょ!
渋滞もないから予定した通りの時間につくのもありがたい。
「今日は、何も考えずに走りたいな。」と思う日には松江道。
「今日は、街中通ってのんびり走ろう。」と思う日には国道54号線。
と、使い分けしながら走っているのは、私だけだろうか?
ただ、夜に帰ってくると、
高速道路からみる景色が真っ暗闇で
間違っていないか、よくよく標識を確認して降りて、
暗闇を走りながら
「どうか、獣に会いませんように・・・。」
と祈りながら家路につく。
【ライター紹介】
ナス。
2023年神奈川県横浜市からIターン。
産業体験で農業を経験したのち定住企画員に仲間入り。
音楽を通して地域に貢献したい!!