庭のモミジもすっかり落葉してきました。
雲南市では12月頭に初雪が降り、冬が来た感じがします。
今日は、移住前に調べた、空き家のトイレについて語ろうと思います。
都会で暮らしていた頃、洋式の水洗トイレを当たり前だと思っていました。
しかし移住を考えて『空き家バンク』を見ていると、なんだか知らないワードが出てきませんか?
「汲取り」とか、「合併浄化槽」とかいうワードです。
トイレや排水処理の種類、実はいろいろあるみたい。
全部は語れないけれど、大まかによくあるトイレについて説明できたらと思います。
まずはよく知っているものから。
トイレが「洋式(水洗)」で、排水処理が「下水」。
これが都会に多く普及しているトイレの形式なのかな?と思います。
ただ、雲南市は山深い地域も多く、全てに下水道が通っているわけではありません。
そこで「汲取り」とか、「合併浄化槽」が登場するわけです。
順番に説明していきますね。
「和式(汲取り)」
こちらはいわゆるぼっとん便所という形式です。
トイレの下が奈落になっていて、人間が出したものが全て下の空間に溜まり、定期的にそれを業者さんが汲取りに来てくれる、というものですね。
和式は嫌だとか、ぼっとんは臭うとか、そんなイメージも多いですがここで朗報です。
汲取りのトイレは、「簡易水洗」という洋式トイレにリフォームすることができるようです。
ただし、トイレの間取りにもよるので現地確認が必要かなと思います。
物件の購入を決める前に、工務店さんなどに連絡してどんなリフォームが可能か見てもらうのが安心かもしれません。
「簡易水洗」とは、汲取りのトイレ穴に洋式の便座を被せ、穴にも開閉式の蓋と水の蓋がされたものです。
ビジュアルは検索してみてください。
これがほぼ水洗トイレと使用感が変わらなくて、水の蓋がされているおかげで臭いも上がってきにくくなっているようです。
次に、トイレが「洋式(水洗)」で、排水処理が「合併浄化槽」。
我が家は購入当時からこの形式です。
トイレは水洗の洋式トイレなので、使い心地はとっても快適。
下水道が通っている水洗トイレと全く変わらないです。
では「合併浄化槽」というのがなんなのかというと、家の敷地にミニ下水処理場が埋まっている…みたいな感じです。
トイレの排水も、キッチンやお風呂の排水も、全部「合併浄化槽」にいきます。
そこで微生物が分解してくれて、綺麗になった水が外に排水されます。
住んでいてやることは、市に毎月の下水道料金を払うだけです。
定期的な点検も、清掃も、法定検査も、別途お金がかかることはなく、市から委託を受けたメンテナンス業者さんがやってくれます。
臭いもないのが通常なのですが、移住初期、家の中まで下水っぽい臭いがしてくることがありました。
市役所に電話で問い合わせると、上下水道局の方が我が家まで点検に来てくれました。
家の中で臭いがする場合、よくあるのは長年使っていない排水管のS字になったところに、本来溜まって蓋をしているはずの水が蒸発してしまい、そこから臭いが上がってくる、ということでした。
その場合、全ての水道をしばらく流せば解決するはずです。
我が家の場合、それでは臭いは消えませんでした。
家の中だけでなく、外の「合併浄化槽」のあたりでも臭いが漂ってきます。
上下水道局の方に伝えると、メンテナンス業者さんに連絡してくださり、点検に来てくれました。
業者さんによると、空気を好む微生物が少なくなっていたとのこと。
微生物を追加してくれたようです。
それを聞いて、そういえば思い当たる節があります。
空き家を購入する手続きを終えて、実際に移り住むまでの1ヶ月間、電気のブレーカーを落としていたことでした。
ブレーカーを落とすと、車庫でずっとブーンと音を立てていた謎の機械も静かになりました。
これがいけなかったのです。
上下水道局の方が、我が家に来てくれた時、その謎の機械は、「合併浄化槽」の微生物に空気を送る機械だと判明しました。
その機械もなかなか古い機種だったようで、上下水道局の方は新しいものに交換してくれたところでした。
結局、1ヶ月もの長い間、その機械を止めていたことが原因だったようです。
メンテナンス業者さんが微生物を追加してくれてから、「合併浄化槽」が臭うことはなくなりました。
『空き家バンク』ではすでに「合併浄化槽」になっている物件もありますが、どうやらそうじゃない物件を「合併浄化槽」にしたい場合、雲南市から補助が出る…という制度もあるみたいですよ。
また、物件は現在「汲取り」だけれど、近年家の近くまで「下水」が通る、というケースもあるようです。
ただし下水道と家の排水管を繋げる工事が必要になるので、下水道と家の距離によって、かかる費用も変わってくるとか。
『空き家バンク』ではじめから気に入るトイレ付き物件を探すのもいいですが、リフォームでトイレを新品にしちゃうのもありですよね!
以上、わたし調べの空き家トイレ事情でした〜!
【ライター紹介】
りえ。福井県の市街地出身。東京・神奈川で8年間過ごし、雲南市へIターン。
購入した古民家で、田舎暮らしを満喫せんと奔走中。
在宅のフリーランスで、夫婦2人暮らし。