片倉里子さん


雲南市への移住のきっかけを教えてください。

関西でコーヒーの焙煎や講座の仕事をしていた時のご縁で、雲南市で開催されたカカオ焙煎イベントに参加し、そこで地域の方々との交流を深めたことがきっかけで、毎月のように雲南市を訪れるようになりました。毎月訪れるくらいならいっそのこと暮らした方が、と思うようになり、また雲南市を訪れるたびに自分の体調も良くなっていくことに気づき、自然に囲まれた環境の中で暮らしたいと考えるようになりました。同時期に娘も雲南市で結婚したので、せっかく住むなら同じ地域で、とも思いました。
 
 

仕事はどうやって決められましたか?

元々関西でしていたコーヒー関係の仕事は地域を選ばずどこでもできる仕事だったこともあり、特に仕事は決めずに移住しました。すでに知り合いの地域の方も多かったので、皆さんから「こんな体験があるよ」と教えていただいたのがふるさと島根定住財団の事業、産業体験制度でした。購入した物件には田畑が付随していたので、自分でイチから農業を始める前に学べる機会をいただけたのは助かりました。『環境農業を広げる会』でマコモタケ等の生育を1年間学んだおかげで、その後の半農半Xの暮らしに活かすことができました。また、地域の方にオススメされたこともあり、産業体験と同時進行で民泊申請も行いました。
産業体験終了後は、コーヒー関係の仕事や民泊の運営、真菰の栽培を行っています。
 
 

住まいはどうやって決められましたか?

雲南市の空き家バンク制度を活用し、空き家を何件か紹介してもらいました。コーヒーをきっかけに知り合った地域の方からも空き家を紹介してもらうなど、2年程度かけて様々な物件を見ました。家庭菜園ができて、駐車場があり、温泉が近いことを条件に物件を探していましたが、空き家バンクに登録されている物件で自分の希望に合う空き家と出会い、購入を決意しました。
 
 

雲南市に暮らしてみた感想を教えてください。

移住前から多くの地域の方と出会っていましたが、自治会に加入したことと、コーヒーのスキルがきっかけで、さらにたくさんのご縁を持つことができてうれしかったです。敬老会でコーヒーを出す機会をもらえたり、地域の方から「コーヒー出店できる?」とイベント出店の依頼をいただいたりと、地域の方から声をかけていただく機会が多くなりました。
 
 

移住してみて困ったことはありませんか?

まちなかに住んでいた私からすると、勝手に玄関を開ける方はいなかったので、田舎ではそれが普通だということに驚きました。家の駐車場に自分の車がある・なしで家にいるかどうかを判断されるのも、車があっても自分は家にいない時もあるので、わかりやすくて良い面もあれば勘違いを引き起こす悪い面もあります。自治会費の金額に驚くこともありましたが、軒数が少ない分1人ひとりの助け合いを考えるととても大切なことだと思います。地域の皆さんが地域を大切にしていると実感します。
移住してすぐは「そんなこともあるのか…。」と驚くことも多かったですが、今はそれも含めて地域の方との関係性を楽しんでいます。


 

これから地方へ移住を考えている方にメッセージをお願いします。

興味のある地域に実際に訪れること、そして体験民泊を活用するなど、移住前から地域の方のコミュニティに入っていくことが大切です。自分がどのような生活をしていきたいかによって、地域の方や市の方など色々な相談に乗ってくれます。まずは相談をして、自分のニーズに合った家や仕事を決めていくことから始めるといいと思います。家は、空き家バンクと並行して地域の方からも情報を集めることをオススメします。




 
​片倉里子さん
2021年5月に京都府からIターン
〈2022年9月取材〉