曽田周平さん・みのりさんご夫妻
周平さん―高校卒業までは雲南市に住んでいましたが、大学時代は兵庫県神戸市で過ごしていました。その後、松江市での就職が決まり、しばらくは雲南市の実家で暮らしていましたが、結婚をきっかけに安来市へ引っ越しました。
みのりさん―私も雲南市の出身です。岡山県の大学を卒業後、就職の関係で通勤しやすい安来市に住んでいました。
  結婚してまもなく「家が欲しい」という話をするようになりました。できれば2人の地元の雲南市に住みたいという希望はありましたが、広いエリアで、いい物件があれば、という思いで探していました。今の物件を見つけるまで1年くらいかかったと思います。今の物件は立地もよく気に入っています。安来市に住んでいる時より通勤時間も短くなりましたし、便利な道に面していることも大きな決め手でした。家と家の間が近すぎず、田舎ならではの環境で暮らしています。
  校区となる小・中学校の生徒数が少ないことや、部活動が少ないことなど、子育て環境に関しては、私たち以上に家族など周りの人が心配していました。ですが、自治会の活動に参加すると、地域の子どもたちが一緒に遊んでくれたりするので安心しています。買い物するにも近くにコンビニやスーパーがないので、最初は不便に感じるかと思っていましたが、実際に暮らしてみると不便に感じることがないばかりか、無駄遣いをしなくなるというメリットさえを感じています。住んでみると不安は払拭されましたね。
  お互いの実家が近いので、両親を頼りながら子育てができる環境はありがたいです。病院も近くにあるので、何かあったときも安心です。自治会でも歓迎会を開いてもらって、幅広い世代に迎えてもらえました。地域の皆さんがとても面倒を見てくれていて、安心しています。そのほか、地域で行う婚活の実行委員会に誘っていただくなど、地域との関わりがすんなりとできました。仕事終わりの遅い時間に集まり、一生懸命活動する皆さんの姿に感動しています。前向きに取り組むこの地域と一緒に頑張りたいです。
  家のほとんどをリフォームしましたが、改修補助金は補助率が2分の1、子育て世帯の補助上限額が100万円(※申請当時の補助率・額)と、補助額が大きかったので助かりました。ただ、司法書士さんとやり取りを行うことや、書類を揃えることなど、手続きが大変で時間もかかりました。手間はかかりますが、空き家に住むと地域の人が喜んでくれるので、住んでよかったと思います。
  地元ということもあり、空き家の所有者とのやりとりや、様々な書類作成の手助けをしてくださる方がいました。知り合いが色々と面倒を見てくれるというのは、Uターンの強みだと思います。また、とんどさんや夜神楽など、自分が子どもの時に経験した地域のイベントごとを、今度は自分が子どもたちに経験させる側になり、地域の子どもたちに同じ経験をしてもらえる喜びを感じます。そして、地域の皆さんから「おかえり」「ありがとう」と嬉しい言葉を本当にたくさんいただきました。冬には自宅をイルミネーションで飾ってみると、「地域が明るくなったよ。ありがとう」と思ってもみない感謝の言葉をいただくこともありました。この地域に住んでいるということだけで喜んでいただけて、帰ってきて本当によかったと実感しています。Uターンはたくさんの喜びに溢れていますよ!


 
曽田周平さん・みのりさんご夫妻
2018年9月に安来市からUターン
〈2019年2月取材〉