空き家を探す

クラシック島根カントリークラブ

地域のランドマークとして地元が誇れるゴルフ場を目指す


支配人の郷原千代吉さんは、雲南市の隣にある出雲市出身。兵庫県で営業マンとして働いていたが、いつかふるさとに帰りたいという念願をかなえて2010年、Uターンと同時にクラシック島根カントリークラブで働き始めた。
1995年、旧掛合町の第三セクターとしてオープンした同クラブ。冬は積雪で長時間クローズせざるを得ないなどの立地環境は厳しく、2005年には民事再生法を申請。その後もオーナーがたびたび変わる不安定な時期が続いた。
郷原さんが着任したのはそんなある意味“どん底”のころ。「行かなくてもいいゴルフ場というか、松江や出雲などの都市部から認知されていなかった」と振り返る。ここから郷原さんの巻き返しが始まる。
ゴルフにお金をかけられる富裕層に着目し、重点的に営業。企業のトップや各支店を回るなど足を使った。さらに、地元の特産品である仁多米を賞金にした奥出雲全米オープンの開催、レストランで奥出雲和牛メニューの提供など地域密着を打ち出して話題を呼び、報道される機会が増えた。お客さんの声を聞いてこまめに改善するなどの地道な努力も重ねた結果、利用者数は以前より大幅に増え、経営も安定してきた。地元在住者を中心に28人が働いている。
「ゴルフは飲み屋と一緒で“平和産業”。働く人が定着して安心して働いていると、お客さんも安心してゴルフを楽しんでくれるようになる。」
現在は日本アライアンス(本社東京)が所有し、ゴルフレボリューション(同)が運営している。ゴルフレボリューションは「地方からゴルフ場をなくしてはいけない」と出雲市の島根ゴルフ倶楽部など全国3ヵ所を運営中で、インドアでのゴルフインストラクターの育成も手掛ける業界で異色の存在だ。
郷原さん自身、雲南市にゴルフ場があることの意義を感じるという。「ゴルフ場って地域のランドマーク的存在。雇用も生まれ、仕入れなどで地域経済にも役立つ。若い人が流出する中で、うちがあるなら出ていかなくてもいいかな、となったりして地域振興につながったらいいなと思います。」
 

お客さんに楽しんでもらうため「気持ちひとつでも工夫を」


出身は大阪府堺市の辛島さん。移住と転職の決め手は何だったのだろう。「田舎暮らしがしたい、と言う両親が、約10年かけて決めたのが島根県でした。検討していたのは、近畿圏から遠くても岡山までと言っていたのに、両親がたまたま旅行した際に島根の景観や整備の行き届いた道路を気に入り、移住の決め手となりました。当初は奥出雲町で暮らし、雲南市へ引っ越した後、ふるさと島根定住財団の移住者向け求人情報でたまたまこの仕事の募集が出ているのを見つけました。実は自分も父親もゴルフが好きで、このゴルフ場へは奥出雲町に住んでいる時に一番近いということで通っていました。働いてみると、客の立場からは知らなかったことを知れるのが楽しいです。」
辛島さんの主な仕事はマスター室業務。「お客さんのプレーを円滑に回す部署」だと静かに胸を張る。「まずお客さんが来た時に玄関先でバッグを預かって、会話を交わすことから始まり、預かった荷物をカートに積んで、スタート順に並べて準備をします。それだけでなく、お客様の細かいクレームも感謝の言葉もすべて回ってくるので、その対応に僕が指示を出すこともします。例えばコース内の忘れ物ならキャディーさんにコースを回ってくださいとお願いしたり。日々違うお客さんと接する仕事なので、こっちに来たとき知り合いが誰もいなかったのが、今や来ると声をかけてくれるお客さんが年々増えていることが楽しいです。」
表情からは、チームで働く楽しさが伝わってくる。「どの部署だからではなく、みんなでお客さんに対して気持ちよく帰ってもらうという気持ちがあれば、お客さんもまた来てくれると思っています。自分も声掛け一つでも相手や状況に応じて工夫していますし、コース管理の人ならお客さんが気持ちよく回れるための整備をするし、レストランならおいしい料理を出すという、今いるスタッフの皆さんはそんな気持ちでやってくれています。従業員も楽しくなかったら、お客様に楽しんでもらうのも難しいと思っていて、そこはうちの支配人も、いい兄貴分みたいな感じで、従業員の雰囲気を作ってくれていると思います。」
 

Q&A 一問一答


Q ゴルフって堅苦しいイメージもしますが…
A そんなことないですよ。以前よりカジュアルになり、時代に応じて変わってきたなと感じます。女性も増えてきましたし、夫婦や親子など少人数でも利用してもらえるサービスも導入しています。(郷原支配人)

Q ゴルフのどこが好きですか?
A 疲れることなく、程よい運動ができること。健康づくりにもなります。あと上達しなところ。だから飽きません。職場の仲間もゴルフ好きが多く、休みのたびにゴルフに行っています。4人組がすぐ集まるのが最高です。(辛島さん)

Q 勤務環境はどんな感じですか?
A 冬は2ヶ月以上クローズするので、かなり変則的です。ですので、夏は週1の休みですが、1月は半分以上休み。余暇を楽しむことができます。普段も日没後の仕事はないので残業もほとんどなく、健康的ですよ。(郷原支配人)

Q 雲南の魅力は?
A 移住の決め手にもなった、赤瓦の家が一軒一軒ゆったりと並ぶ田舎の風景です。また交通の利便もよく、松江や出雲に行くのも気分で選べるのがいいと思います。実は便利で、密かに「島根のへそ」と呼んでいます。(辛島さん)
 

こんな人と一緒に働きたい!


▷元気でわんぱくな人
▷第一次産業に興味がある人

元気でわんぱくな人がいいなと思いますが、あとは例えば農家の後継ぎに来てほしいですね。農業や林業など第一次産業は若い人の希望が見いだせない。でもうちなら両立させて働くことができる。「ゴルフのできる百姓」って面白くないですか(笑)。
 

企業概要


株式会社ゴルフレボリューション
クラシック島根カントリークラブ

代表者    代表取締役 石川卓
支配人    郷原千代吉
創 業    平成7年10月10日
従業員数   30名
事業内容   ゴルフ場
募集スタッフ ●フロント
       ●レストランホール、厨房
       ●コース管理
       ●営業
所在地    〒690-2706
       雲南市掛合町多根3325₋3
H P    http://www.classic-shimane.co.jp/ 

 

<取材時期>
2017年